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Writer's pictureとおやま犬猫病院

おしっこ検査で病気発見!!


こんにちは。とおやま犬猫病院の院長、遠山伸夫です。

今回は動物病院でよく行う検査のひとつである、尿(おしっこ)検査についてブログを書いていきます。

「あなたは、尿検査をしたことありますか?」

きっと、というかほぼ確実に一度は尿検査をしているでしょう。

病院や学校で、おしっこを紙コップやプラスチック容器にいれて提出した記憶が私もあります。

この尿検査は、昔からあるとても一般的な検査です。

しかし具体的には何を検査しているか、あまり知らない方もいるかと思います。

では、当院で実際にどんなことを調べているか、その一部をご紹介します。

まずは、「色」

おしっこの色と聞かれて、多くの方は「黄色」と答えるでしょう。

しかし、おしっこに血が混じれば「赤色」に変化します。

黄疸といってビリルビン色素が混じれば「橙(オレンジ)色」に変化します。

はたまた、おしっこの色が薄くなったり、無色透明になったりもします。

つまり、肉眼的におしっこの色を評価することにより、隠れている病気のヒントが見つかることもあります。

おしっこの色は自宅でも判定できるので、犬猫ちゃんが普段どんな色のおしっこをしているか、しっかり観察してみて下さい。

次に、「尿比重」

尿比重と言われて、ぱっとわかる方はそう多くはないでしょう。(医療関係者を除いて)

この尿比重というのは、平たく言うと「おしっこの濃さ」のことをいいます。

人も犬猫ちゃんも背中側の左右にある腎臓という臓器で、自分の血液をろ過して、老廃物をおしっことともに体の外に出します。

しかし、老廃物とともに体の中の水分をたくさん捨ててしまうと脱水するため、腎臓でギュッと濃縮して少量の「濃い(尿比重の高い)」おしっこを作ります。

この腎臓の機能が落ちると、上手く尿を濃縮させることができず「薄い(尿比重の低い)」おしっことなってしまいます。

実はほんの5秒で測定できる「尿比重」も、血液検査(尿素窒素やクレアチニンなど)と同様に重要な腎臓機能の評価となります

これが、当院で使っている尿比重計↑↑

尿比重計を使って、実際に尿比重を測定中↑↑

画像中の青矢印で指した場所に少量のおしっこをのせ、尿比重計を覗き込んで数値を読み取ります。

3番目は、「尿糖」

これは、主に糖尿病の診断に欠かせない項目です。

糖尿病とは、血糖値をコントロールする体内のインスリンの異常により、血糖値が高いままになってしまう病気です。

血糖値が高いと、通常ではおしっこにでてこないブドウ糖がおしっこ中に尿糖として出てくるため、これを尿検査で検出するのです。

尿検査で用いる試験紙です↑↑

左手に持っている尿試験紙をおしっこで濡らし、右手のボトルに書いてある色とくらべながら各項目(尿糖やpHなど)の値を読み取っていきます。

今回は尿検査項目の一部しか説明していませんが、その他にも「尿蛋白」や「尿中ケトン」などがあります。

また、顕微鏡をつかって、尿中にあらわれる結晶や細胞成分も観察します。

あなたの犬猫ちゃんが、

・最近よくお水を飲んで、たくさん薄い色のおしっこをする

・おしっこの色が、なんとなく赤色や橙(オレンジ)色になっている気がする

・おしっこの出が悪い

・少量のおしっこを何回もする(頻尿)

・過去に膀胱結石を指摘されたことがある

これらに当てはまるようであれば、今すぐ尿検査をオススメします。

おしっこが自宅でとれれば、時間を置かず犬猫ちゃんと一緒に当院までお持ち下さい。

その日に尿検査を行い、当日結果をお伝えします。

おしっこを採取する専用道具も無料で用意していますので、お気軽に申し付け下さい。

もし、上手くおしっこがとれない場合は、

おしっこを我慢した状態で犬猫ちゃんと一緒に来院して下さい。

滅菌した尿道カテーテルなどを使い、院内で安全に採尿し尿検査を行います。

尿検査は、簡単で犬猫ちゃんへの負担も少ない有用な検査のひとつです。

血液検査が苦手な犬猫ちゃんも、お家でおしっこさえとれれば院内で迅速に検査できます。

あなたの犬猫ちゃんが健康な生活を続けるために、定期的な尿検査を当院では推奨していますので、お気軽にご相談下さい。

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