こんにちは、とおやま犬猫病院の遠山伸夫です。
前回のブログはフィラリア感染症1 どこから感染?と題して、病気の全体像をお伝えしました。
前回のブログを簡単におさらいすると、
蚊を媒介して、フィラリアという寄生虫が犬猫ちゃんに感染してしまうと、最終的には死に至る危険性がある、
とこんな感じです。(詳しくは前回ブログ参照)
今回は、そのフィラリア感染をどのように予防していくかを説明していきます。
フィラリアは蚊を媒介して感染するため、基本的には蚊の発生している時期(春〜秋)に予防していきます。
前回ブログでポイントとしてあげたのは、感染力のあるフィラリアを持った蚊に吸血されてから2ヵ月で成虫となる、でしたね。
つまり、そのポイントの期間にイベルメクチンなどのフィラリア駆虫薬を投与すると成虫になる前に安全に駆除できる、という仕組みです。
では、実際にいつからいつまで駆除薬を使えばいいのかですが、下の図を使って説明していきます。
※この図はフィラリア薬を製造販売しているDSファーマアニマルヘルスさんのホームページの一部です。(クリックするとそのページにリンクします)
このデータ(1997〜2011年の15年間)から読み取れることとして、
感染力のあるフィラリアを持った蚊に吸血される時期(岐阜県)は、「犬フィラリアの平均感染期間」である5月17日〜11月4日と読み取れます。
ただし、年によって春先から暑くなったり、秋でも暑い日があります。
そういう年は、「一番早い推定感染開始日」が4月30日となり、「一番遅い推定感染終了日」が11月21日となります。
蚊に吸血されてから約1ヵ月で駆除すればオッケーなので、
予防薬スタート・・・蚊が飛び始めてから1ヶ月後
予防薬終了・・・・・蚊がいなくなってから1ヶ月後
となり、岐阜県では投薬期間が「5月中旬〜11月下旬ないし12月上旬の期間(7〜8ヵ月間)」となるのです。
特に最後の11月下旬や12月上旬は、蚊もほとんど見かけることがないため、
もう大丈夫と思って投薬を止めてしまう飼い主さんが少なからずいます。
最後の1回を忘れてしまって、大切な犬ちゃんにフィラリア感染が成立してしまうことだけは何としてでも防ぎましょう( ̄ー ̄)b
P.S.
次回は「フィラリア感染症3」と題して、予防薬の種類とそれぞれのメリット・デメリットに焦点を当てていきます。