こんにちは、とおやま犬猫病院の遠山伸夫です。
今回のブログは、前回の疾病シリーズ「犬猫の外耳炎1」の続きとなります。
前回は、わんちゃん・ねこちゃんの耳の構造や外耳炎の症状などを紹介しましたが、2回目の今回は、詳しい原因について書いていきたいと思います。
外耳炎の原因として比較的多いのは、様々な”感染”によるものが挙げられます。
病原体による”感染”とひとことで言っても、
・通称でバイ菌と言われる「細菌」 例:ブドウ球菌
・カビと言われる「真菌」 例:マラセチアという酵母様の真菌
・ダニのような「外部寄生虫」 例:ミミヒゼンダニ
などがあります。
※今回のブログでは、虫などの画像が苦手な方もいると思われるので、あえて写真を載せていません。
興味のある方は、当院に置いてある寄生虫ビジュアルガイドやgoogleなどの画像検索を参考にしてみてください。
実はこれら「細菌」・「真菌」・「外部寄生虫」などの病原体は、特に外耳炎ではない健康なわんちゃん・ねこちゃんの耳の中にもいくらか存在(常在)することが知られています。
つまり、ある一定の数が存在しても、明らかな外耳炎の症状は出てこないのです。
しかし、何かしらのきっかけでこれら病原体の数が異常に多くなると、炎症を引き起こす原因となり得ます。
例として、耳の中がジメジメ・ムシムシする高温多湿の状態になったり、アトピーやアレルギーによって皮膚バリアが弱いと二次的な感染を助長します。
一旦、感染が成立してしまうと自らの抵抗力のみで治癒はしづらいため、動物病院での治療が必要となります。
外耳炎がどの原因で起こっているかによって、治療法が大きく異なってくるため、当院ではまず耳垢の顕微鏡検査を実施しています。その原因が特定できたら、適切な治療を行っていくのですが、それはまた次回をお楽しみに。
現在、わんちゃん・ねこちゃんに外耳炎を疑う症状がありましたら、当院までお気軽にご相談下さいね(^^)